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2009年8月14日 (金)

撮影日記その10: 映画「Asesinato en una lavanderia china」編 前編

 さて今日は何を書こうか。

 8月10日、11日は「Asesinato en una lavanderia china」(中国洗濯屋殺人事件)というメキシコ映画に参加してきました。

 現場はメキシコ・シティーの南西をクエルナバカ方面へ車で一時間ほど走った山の中。

 二日間とも久しぶりの夜間撮影です。我々出演者は普段、実際始まってみないとその日の撮影が何時に終わるかなんて全く想像もつかないんですね。

 でもこの日のように集合が夕方、現場についてメイクして、着替えて、照明さん、カメラさんの準備を待ってと、色々計算して逆算すると「今日は朝まで帰れないな」というのが自然と見えてきます。
台本読んだ時点で大体想像はしてたけど、ほんとにこんなに厳しい撮影になろうとは本番入るまでは思いもしなかった。

 舞台は15世紀の中国。
私と私の妻役のナンシー・タイラ(日系メキシコ人女優)扮する農業を営む中国人夫婦はある日、田んぼの真ん中に建つ小屋で待ち合わせをするが突然の豪雨にみまわれる。

 主人の姿を見つけ小屋めがけ駆け出す妻だが、足を滑らせ小屋の柱に頭をぶつけ、出血してしまう。

 額から流れる血を口で拭い取る夫。
だがその瞬間に雷に打たれ突然変異を起こし、異性の血を摂取することにより人よりも長い寿命を持つ種族に変化してしまう。

 ・・・というお話で、このシーンが映画のオープニングの導入部分になります。

 メキシコという国は車で一時間走っただけで気候はがらりと変わります。
メキシコ・シティーの今の季節は梅雨ですが、この辺りは雨は降らない代わりに、昼夜問わず平均的に気温が低く、この日の夜も8月にもかかわらず気温は約5度!

 そこに雨のシーンなので人口雨を降らせます。「しとしと」じゃすみません。
ドシャ降りの雨です。
衣装はタオル生地で作った様な農作業服、素足にペラペラ布一枚の人民靴。
爬虫類は冬に冬眠し、恐竜は氷河期に絶滅していったと言われますが、人間も体温が低くなれば体の自由が奪われる事を実体験。

 雷に打たれる瞬間に後方にひっくり返らなければならず、背中はグシャグシャ、パンツもドロドロ、凍えてタイミングがうまく計れず、水の音で監督の声も良く聞き取れず、落雷効果の照明で目先はクラクラと・・・ なったところですでに時間は午前3時。

 撮影続行したところでこれ以上良くはならん、と判断した監督が

 

 「俺の役者達を殺すわけにいかんっ!!」

 (よっ、名監督!)

 

 と叫んだところで撮影は一時中断。

 「どこかで熱いシャワーを(我々に)浴びさせて来い!」との監督命令でスタッフが我々を車に乗せシャワーを探しに行くはめに。

 どこかでって・・・ 
夜中の3時にそんな山奥に熱いお湯の出るシャワーなんてあるわけがない。
そんな時に考える事は万国共通です。

 郊外にこそあるラブホテル。

 奥さん、ああいったホテルは無駄に愛を育む為だけにあるのではないのですよ。

 20分ほど走って小奇麗なファッション・ホテル風、ラブホテルを見つけたまでは良かったが、私と共演者のナンシー、衣装さんに、スタッフに、運転手、男2名、女3名、よく見りゃ内2人はずぶ濡れの東洋人、総勢5名を乗せた車が乗りつけたもんだから受付のババア(これも世界共通)がパニクって、いかれたジャンキーどもが夜中に乱交パーティーでもしに来たと勘違いして大騒ぎ。

 スタッフの必死の説明でどうにか正気を取り戻したババアが事態を理解し二部屋に一人ずつのみ入室可、という条件付きで許可を出し、ようやく熱湯にありついた。

 でも後で聞いたら、しっかり普通料金取られた様子。しかも二部屋分。

 金取るときだけ正気に戻りやがった。あのババア。

 シャワーを浴びて現場に戻った時点で1時間は経過しており、さぁ、急いで取り残したシーンの為に撮影再開!

 ・・・とはいかず、付け髭、付け毛の付け直し、メイク直し、乾いた衣装に着替え、こういう時慌てると必ず後でボロが出るのがこの仕事です。
スタッフも急ぎながら急ぎ過ぎず慎重に事を改め直して、やっと仕切りなおし。

 残された時間はあとわずか。
夜のシーンなので日が昇り始めた時点で続行不可能になります。
再び雨の中に立って、今度は落雷のショックで空中に浮かび上がるシーン。

 人生何事も勉強です。
このシーンでワイヤー・アクションってやつを経験しました。
たったの2m程でしたが空中にワイヤーで持ち上げられて、吊るされたまま静止状態。

 雨の中での演技、ワイヤー吊るし、極限状態で自分の最高を出す、自分のシーンで時間との戦いと、初めての事だらけだったけど、良い経験になりました。

 一晩中働いても、文章にしてしまうとたったこれだけの事で、映画が完成してみれば5分にも満たないシーンだと思います。
でもみんなこの仕事が好きなんですね。
自分の事ばっかり書いてますが、スタッフのみんなもレイン・コートは着ててもびしょ濡れ状態での仕事です。

 そして明日もこのシーンの続きが待っています。頑張れみんな!!

 後編に続く。

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コメント

おひさしぶりっ子lovely
相変わらず頑張ってまんなぁ~shineしごつmovie命がけで・・

仕事の内容えびの着ぐるみからワイヤーアクションまで、結構手広くやってますねsign05sign05sign05
ケガばせんごつせなんですよ
TakaBrown が怪我したら悲しむ
色ボケ同居人がいるんですから。

アクセス地域ランキング熊本が2位ということで
芙美ちゃんっていうアズの元同僚にも
このブログの事教えておきましたぜcatface
打倒!!TOKYOthunder

ちなみにその子は自称「宮沢りえ」です
ちょっと前までは自称「伊藤美咲」でした
…どっちも残念ながら・・なんですけどね

では、仕事頑張ってup
私も仕事頑張ってサボりますsmile
ちなみに今も仕事中pc
今日は何を検索したろかなnote

投稿: まる姐さん | 2009年8月16日 (日) 21時13分

お久しぶりっ子、ぶりぶりぶりっ子って山田邦子のネタですね・・・しかもデビュー当時まだバスガイドネタやってた頃の・・・懐かしい・・・。
芙美ちゃんの「宮沢りえ」も「伊藤美咲」も残念なんですか・・・残念です。
〇ちゃんの「柴崎コウ」もうちの肥後娘に言わせると残念だと申していましたが・・・。
仕事は怪我しない程度に頑張ってます。
〇ちゃんもサボってばっかりいないで、しっかり仕事して貯金して早くメキシコに遊びに来てください。

投稿: TakaBrown | 2009年8月20日 (木) 03時57分

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